参考書と問題集の効果的な使い方について、
入試模擬テストの作成や問題集の出版にも携わっている塾講師がまとめてみました。
1)参考書と問題集はどう使い分けるのか?
2)参考書の効果的な使い方は?
3)問題集の効果的な使い方は?
参考書と問題集の使い分け
わかるようになってからできるようになるのか、
それともできるようになってからわかるようになるのか。
少なくとも学習に関しては、前者のケースが圧倒的に多いです。
このことから、参考書と問題集は次のように使い分けるのがよいでしょう。
得意な内容は問題集から、苦手な内容は参考書から。
参 考 書 の 効 果 的 な 使 い 方
学力を上げるために最も重要なのは「解けない問題を見つけ出し、1つずつ克服していく」ことです。
この観点から、算数の参考書を例に、その効果的な使い方について説明します。
苦手な内容で使うとき
例題を、解説・解答を見ないで、ノートに解きます。
例題が解けたとき
- 自分の解き方・考え方と参考書で示されている解き方・考え方とを丁寧に見比べます。
- もっとミスの少ない解き方・もっと簡単な解き方・もっとスッキリした考え方などが参考書に示されていれば、それらをノートの解いたところに書き加えます。
- 同じような内容をもっと練習しておく必要がある場合は、類題も解きます。
例題が解けなかったとき
- 参考書に示されている解き方・考え方を、1行1行理解しながら、例題を解き直します。
- 再チャレンジで解けるために必要なことがあれば、ノートに書いておきます。
- 類題も解いて、解き方・考え方をよりしっかりさせておきます。
もう一度解き直しておくべき問題(解けなかった問題や解き方・考え方に改善点があった問題)を含むページには問題番号を書いた付箋(ふせん)を貼り、後日再チャレンジします。
付箋は完璧に解けるようになったらはがします。付箋をはがしていくたびに、学力はまちがいなくアップしています。
得意な内容で使うとき
得意な内容では、参考書より先に問題集を使うことをすすめています。
問題をどんどん解いていく中で、理解不十分な内容が明らかになったとき、参考書を使います。
該当する内容の解説等を、書き写すのではなく自分なりにノートにまとめます。
そして、類題を解いて、知識や理解を定着させておきます。
問 題 集 の 効 果 的 な 使 い 方
学力を上げるために最も重要なのは「解けない問題を見つけ出し、1つずつ克服していく」ことです。
この観点から、算数の問題集を例に、その効果的な使い方について説明します。
1 回 目
1)解く
- 専用のノートに解いていきます。途中の計算はもちろん、図・表・グラフなど答えを導くのに使ったものはすべて丁寧に書きます。
- ページ番号と問題番号を明記し、どの問題なのかがすぐわかるようにしておきます。
- 問題文を書き写すのは時間の無駄ですが、図やグラフにいろいろ書き込む必要があるときは、ノートに図やグラフを書き写し、それに書き込んでいきます。(問題集には3で説明している印以外は何も書き込みません。)
2)答え合わせ
- その日に予定した内容を解き終えたら、すぐ、答え合わせをします。
- ノートの問題番号にマル・バツだけをつけます。
- 答えは書き写しません。
3)印をつける
- “正解はしたが問題”(正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてない問題)、誤答問題(書いた答えがまちがっていた問題)、無答問題(最初から答えを書くことができなかった問題)、これら もう一度解き直しておくべき問題 には、問題集の方に鉛筆で印をつけておきます。
4)“正解はしたが問題”への対処
- 正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてない問題については、解説をしっかり読みます。
- もっとミスの少ない解き方・もっと簡単な解き方・もっとスッキリした考え方などが示されていれば、それら改善点をノートの解いたところに書き加えておきます。
5)解き直し1
- 誤答問題(書いた答えがまちがっていた問題)を、解説を見ずに解き直します。
- 解けた場合は、「どこでどのようにしてまちがえたのか」をしっかり確認 し、今後の注意点をノートの解いたところに書き加えておきます。(この学習をいい加減にしていると、同じようなミスを繰り返してしまいます。)
6)解き直し2
- 解き直し1で再びまちがえた問題と無答問題(最初から答えを書くことができなかった問題)は、解説を読みながら解いていきます。
- 解き方・考え方を、1行1行しっかり理解しながら、ノートの新しいところに解いていきます。
- 参考書にある類題も解いて、解き方・考え方をさらに定着させておきます。
2 回 目 以 降
上の3で印をつけた問題について、
- 2~3週間くらい空けて再チャレンジします。
- 再チャレンジで完璧に解けた場合は、問題集から印を消します。
- 再チャレンジでまちがえたり正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてなかったりする場合は、印はそのままにして、その後の学習を1回目のときと同じように進めていきます。
- 間隔を空けながら、印を消し去るまで何度でも解き直します。
1冊を完璧に仕上げたら、少しレベルを上げた次の問題集に取り掛かりましょう。