中学受験におすすめの<小学5・6年生対象-算数-基本レベル>の教材(計算ドリル・参考書など)を、問題集の出版や入試模擬テストの作成にも携わっている塾講師が、それらを利用した勉強方法とあわせて紹介しています。
( 他レベル・他教科につきましては、中学受験におすすめの教材 をご覧ください。 )
計 算
計算力をつけていくには、『毎日、短時間、集中』を合言葉に練習あるのみです。
先取り学習が支障なくできる内容なので、余裕があればどんどん先に進みましょう。
小5の二学期が始まるまでに小学校で習う計算を一通り仕上げておくと、その後の学習をスムーズに進めることができます。
計算の先取り学習でおすすめなのは「基本トレーニング 計算」です。取り組みやすい構成で、復習にも使えます。学年にこだわらず、7~8割正解できる級から始めると勢いをつけて進めます。
計算練習におすすめ
- 12級(小1)から1級(中学受験)まであります。
- 1日1枚(表と裏)のペースで取り組めるように編集されています。
- 表のページで計算のしかたを理解し、裏のページで問題に取り組むという構成になっています。
- 巻頭に前級の復習テスト、数単元ごとに復習テストやまとめテスト、巻末に進級テスト、と折に触れて習熟度を確認できるようになっています。
- 解答編には答えだけでなく途中式やポイントも記述されています。
<計算練習の進め方>
※ 「基本トレーニング 計算」を使っての進め方を書いていますが、他の教材を使っている場合でも参考になる部分があると思いますのでぜひご一読ください。
1 解く
- 計算練習専用ノートに、途中の式を省略せず、丁寧に解いていきます。
- 時間は気にしません(解くスピードは解き慣れることでつけていきます)。
2 答え合わせ
- その日予定していた内容を終えたら、すぐ答え合わせをし、まちがえた問題や正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてない問題に鉛筆で印をつけます。
- 答えは書き写しません(答えを書き写してまちがい直し、という勘違いをしている人を時々見かけます)。
3 まちがい直し
- まちがえた問題を自力で解き直します。それで解けた場合は、解答で示されている解き方と自分の解き方を比べ、「どこでどのようにしてまちがえたのか」をしっかり確認し、注意点をノートの解いたところに書き加えます。
- 解き直して再びまちがえた問題については、解答で示されている解き方を、1行1行しっかり理解しながらノートの新しいところに書き写します。
4 “正解はしたが問題”への対処
- 正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてない問題については、解答で示されている解き方と自分の解き方を比べ、改善点があればノートの解いたところに書き加えます。
5 再チャレンジ、再々チャレンジ、・・・
- 復習テストやまとめテストの前などひとかたまりの内容を終えたら、印をつけた問題に再チャレンジします。
- それで完璧に解けた場合は、問題集から印を消します。
- まちがえたり、正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてなかったりする場合は、解答で示されている解き方を1行1行しっかり理解しながらノートの新しいところに書き写します。印はそのままにしておき、時間を空けて再々チャレンジします。
6 仕上げ
- 問題集から印をすべて消し去るまで繰り返し解き直します。
7 次の級へ
- 1冊を完璧に仕上げたら次の級に取り掛かり、上の1~7の手順で練習していきます。
8 入試対策用計算問題集へ
- 2級まで仕上げたら、入試対策用の計算問題集「出る順」などに取り掛かり、計算力をより高度なものにしていきます。
計 算 以 外 の 内 容 は ?
中学受験の基礎固めをしたい人には、問題集ではなく参考書を使った学習をおすすめします。
参考書といっても問題量が豊富で問題集としての利用が十分可能なものもあります。「自由自在」、「応用自在」、「総合的研究」などがその代表といえるでしょう。
このうち、基礎固めという点でおすすめなのは「自由自在」です。理由は、他の2冊より基礎~標準レベルに焦点を当てており、いわゆる難問が少ないからです。
おすすめ参考書
- 日常学習の予習・復習用として、また発展的な内容も掲載されているので中学入試対策用としても使えます。
- 5・6年内容はもちろん4年生までの内容も掲載されているので、復習しながら学習を進めることができます。
- 答えが出るまでの考え方・解き方が、図解なども用いてくわしく示されています。
- 厳選された問題が難易度順に豊富に配されています。
参考書を使った学習の進め方
1 解説・解答を見ないで、例題にチャレンジします。
- 手を付けられる場合は、ノートに、答えを導き出すのに使った図・表・式などすべて丁寧に書いていきます。時間は気にしません(スピードは解き慣れることでつけていきます)。
この後の学習について、次の4つの場合に分けて書いていきます。
- 2-1 スムーズに解けたとき
- 2-2 正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてないとき
- 2-3 書いた答えがまちがっていたとき
- 2-4 問題に手を付けられなかったとき
2-1 スムーズに解けたとき
- 自分の解き方・考え方と参考書で示されている解き方・考え方とを丁寧に見比べます。もっとミスの少ない解き方・もっと簡単な解き方・もっとスッキリした考え方が示されているかもしれません。
- 改善点等があった場合は、ノートの解いたところに書き加え、問題番号に鉛筆で“再チャレンジ印”をつけておきます。
2-2 正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてないとき
- 問題番号に鉛筆で“再チャレンジ印”をつけておきます。
- 解答・解説で示されている解き方と自分の解き方を見比べ、解き方を変えるのか変えないのか、変えるならどこをどう変えるのか、今後の注意点は何か、じっくり見極めてください。
- 改善点等があれば、ノートの解いたところに書き加えておきます。
2-3 書いた答えがまちがっていたとき
- 問題番号に鉛筆で“再チャレンジ印”をつけておきます。
- 解答・解説を見ないで、自力で解き直します。
- 解き直しで解けた場合は、解答・解説で示されている解き方と自分の解き方を見比べ、「どこでどのようにしてまちがえたのか」を見つけ出し 、ノートの解いたところに書き加えます。答えは書き写しません(答えを書き写してまちがい直しができた、と勘違いしている人を時々見かけます)。このまちがい直し学習は特に重要です。学力をより確実なものにするとともにミスが減っていきます。
- 解き直しで解けなかった場合は、下の2-4と同様にその後の学習を進めていってください。
2-4 問題に手を付けることができなかったとき
- 問題番号に鉛筆で“再チャレンジ印”をつけておきます。
- 「次は必ず解いてやる!」という強い気持ちをもって、解き方・考え方などを自分なりにノートにまとめます(決して書き写してはいけません)。
- 類題を解いて、解き方・考え方をより定着させておきます。
3 付箋(ふせん)を貼ります。
- “再チャレンジ印”のついたページに、学習日と問題番号を書いた付箋(ふせん)を貼っておきます。
4 印をつけた問題を1つ1つ克服 していきます。
- 2~3週間空けて、印をつけた問題に再チャレンジします。
- それで完璧に解けた場合は、印を消し付箋もはがします。
- まちがえたり、正解はしたが時間がかかったり解き方に自信がもてなかったりする場合は、印はそのままにしておき、時間を空けて再々チャレンジします。
- 参考書から印をすべて消し去るまで 繰り返し解き直し ます。印を消し付箋をはがしていくたびに、学力はまちがいなくアップしています。
1冊の参考書を完璧に仕上げることができたら、基礎力はもちろんかなりの応用力も身につけていることでしょう。健闘を期待します。
<関連記事>